... 別冊よこぐも手帖 ...

  くらしの知恵と道具 jokogumo−よこぐも− 
今日のつれづれと9月の神楽坂店のもの。


bread.JPG
今日は久しぶりに1日うちで過ごした日でした。普段なかなか手が回らないところを片付けたり、掃除したり。

昼間はまだまだ蒸し暑いのですが、夜になると心地よい風が。庭では秋の虫も鳴いています。今日で8月も終わりかー。

9月の神楽坂店には、山形大沼養蜂のはちみつが届く予定です。今週末には間に合うでしょうか。
いろいろなことがあったけど、今年も野山に花が咲き、大沼さんの世話のもと、ミツバチはせっせと蜜を集めてくれたのですね。

楽しみにお待ちくださっているお客様も多いと思います。入荷いたしましたら改めてこちらでお知らせするようにいたします(ウェブ販売はまだ未定です)。

それから、盛岡正食普及会のロシアビスケットも入荷しています。すでにロシアビスケットファンの方、知らないけど食べてみたい!という方、盛岡の旅を思い出してうっとりしたい方。みなさま、お待ちしておりまーす。

写真は今日のお昼ご飯。桜のパン皿よりも大きな、桜の木皿(24cm・神楽坂店にて販売しています)を使ってワンプレートに。木のお皿はやっぱりいい。

| つれづれ | 19:30
会津の話。
 


奥会津の金山町に行ってきます。といってから、気付けば更新しないうちに1週間が経ってしまいました。いや、実は一度気合を入れてblogに取り掛かっていたこともあったのだけど、途中で内容が消えてしまい力尽きていたのでした。

只見川は見慣れた姿から一変。想像を超える被害状況でした。あの美しい河がこんなふうになるんだ...と息を呑むほど。橋が流され、集落にも土砂は流れ込み、浸水したまま水が引くまで12時間ほどもかかったのだそうです。

私はその、土砂が流れ込み浸水していたというお宅の片づけをお手伝い。このあたりは昔ながらの日本家屋が多いのですが、作りのシンプルさと合理性には本当に感心しました。畳を上げ、床板をはぎ、建具を外すともうそこは柱を残したひとつのだだっ広い空間。日本の家ってこんなふうに、柱と柱の間に何を当てがうかで出来上がっているんだよなぁ。

竹を組んで、土を塗れば壁に。それ以外は建具。障子で光を取り込んで、襖を間仕切りにする。畳の下には板。何かがあったときにはそれぞれのパーツを外したり、取り替えたり。柱さえしっかりしていれば、ちゃんと手入れをしながら長く住めるようになっている。こんなに大変な災害に見舞われてもどっしりと建っている会津の家屋を見て、これがずっと大切にされて、残ってきたことに納得したのでした。

お付き合いのある作り手さんのお宅はみなさん被害もなく大丈夫ですが、川や沢の脇に生える胡桃の木が相当数流されてしまったらしく、胡桃細工はしばらくできねぇかもな。とのこと。

同じ場所を前に撮った写真はつづきに。

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| 行ってみたいトコロ −奥会津− | 18:28
奥会津へ




1泊2日ですが、明日から奥会津の金山町というところに行ってきます。金山町は、先月末の新潟・会津豪雨により家屋の倒壊、浸水、土砂崩れによる道路の寸断、橋の流失など大きな被害に見舞われました。ここのことはあまり報道されていないのは残念なことだけど、高齢化が進んでいる地域でもあり、片づけを手伝ってくれるボランティアを募集しています。

金山町には優れたマタタビ細工の作り手さんも多く、jokogumoも大変お世話になっています。それに、ここは人の暮らしと自然が本当に美しく調和しているところで、個人的にも大好きな場所でもあります。ここの人が困っているのを聞くと、やっぱり行かずにはいられない。単純ですが、1日でもいいから行ってこよう、と。

月曜日の夜には戻りますが、それまでに頂いたメールやご注文内容の確認は戻り次第となりますことを、何卒ご了承くださいませ。どうぞよろしくお願い致します。

※写真は金山町にある、廃校になった小学校。こんなの北欧の田舎にもあるよ。かわいい!と思ってカメラにおさめていたもの。

| いってきますとただいま | 23:31
新年の新しいうるし



岩舘隆さんの汁椀玉山保男さんの汁椀。次回(それぞれ10月初旬と下旬)入荷分のご予約をお受けしております。

来年こそは漆デビューしたいかも。新年に新たな汁椀を仲間入りさせたいかも。などとぼんやーりと考えていた方、そろそろ決断の時期でございます。(あくまでお知らせ。じっくり悩んでも逃げてはいかないものなのでご安心ください)

漆というのは、空気中の水分と反応しながら固化していくいう面白い素材で、それが200年もの間続くという話です。


だからといって、いつまでも大事にしまっておく必要はありませんが、jokogumoでは最低でも出来上がってからの最初の2ヶ月は漆を休ませてやることをおすすめしています。
汁椀は特に熱いお汁を注いでタフに使うもの。これからずっと働いてもらうのですからその2ヶ月が漆にとっていいことなのであればそうしようではないか。ということです。

浄法寺塗
で、それを逆算すると10月入荷分というのは新年にもちょうどよい。今が8月なので、届くまでに2ヶ月。使うまでにさらに2ヶ月という。1年の約3分の1を漆にじらされるワケですが、逆に3分の1をワクワクと『待つ楽しみ』とともに過ごせるとも言えます。

先日さっそくご予約くださったお客様は、もうずいぶんと前から玉山さんの木地呂の汁椀をお待ちくださっていた方でした。「欲しかったものを待つ、というのも幸せのひとつですね。」というメッセージと共に。とてもうれしかったです。

来年早々には『行ってみたいトコロ東北展』を開催したイベントスペース、神楽坂フラスコにて、浄法寺漆を使ったうるしの器の展示を予定しています。東北展が終わってから、じわじわとあたためていました。

まだそれが正式決定!した段階に過ぎないのでありますが、うるしにまつわるいろいろ、がたのしめる企画にしたいと私自身も心待ちにしています。

今日は何だか来年の話ばかり。鬼も笑う、かな。


| 【漆のもの】 | 23:54
小久慈焼 こんなもの





こないだ久慈に行ったとき、小久慈焼の窯にもお邪魔してきました。小久慈焼はこの白は白だけど温かくて素朴な感じと、それから買いやすいお値段で、普段使いの器として人気があります。

定番で扱っているのは糠白のお皿と片口ですが、イレギュラーに角皿やぐいのみなんかも入荷します。でもしばらく納品がなくてですねぇ・・・。

で、代わりにと言ってはなんですが、せっかくなのでその訪ねたときにそれ以外のもので使いやすそうなのをいくらか選んでまいりました。

ぐいのみに、蕎麦猪口、お料理が映えそうな小鉢など。ぐいのみは、珍味などにもよいでしょう。蕎麦猪口は、野菜スティックにもよいでしょう。

角皿の小さいのは、お醤油はもちろん、スイートチリソースなんかにも。枝付の干しぶどうをちょこんとのせてもいいですねぇ。そんなこと言ったらお漬物でもいいです、お豆腐の味噌漬もいいです。

なんかおつまみばかり想像してしまってすいません。でも、そんなふうにイメージがどんどん湧いてくるようなのばかりでございますよ。



| 商品の入荷やUPのお知らせ | 16:55
久慈・まぢの日




野田村からも近い、久慈市も海の町。小久慈焼の窯がある場所でもあります。その久慈市で3と8がつく日に開催される市が【まぢの日】(=町の日)。今回野田に滞在している間にも行ってきました。

魚介に野菜、果物。草花や生活用品まで、いろいろなお店のテントが並びます。久慈にも津波の被害があったと聞いて、この市が復活するのにも時間が掛かるのかな...と心配していたのだけど、みんな元気にお店を出していてほっと安心しました。町の元気な姿というのはやっぱりいいもの。

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| そのほかの行ってみたいトコロ | 13:46
野田村でのはなし その3



野田村に行ったときに必ず泊まるのが、南部曲がり屋の苫屋さん。(前にもblogに載せたことがあります→ ■ 

教えたいけど教えたくない、教えたくないけど教えたい。で、結局教えるんかい。という感じなのですが、いいのだよ。だって泊まるにはハガキで予約をしなくてはいけなくて、まぁそこまでする人はよっぽど行きたい人ですよ。

それでも毎年泊まりたいのは、この昔話に出てくるような木のおうちそのものと、その空間が好きなのもあるし、それから大きな囲炉裏。これを囲んでいただく食事と、やっぱりこの宿のご夫婦の人柄あってのことだなぁとも思う。


初めてのときは1泊。
「あっこれは1泊ではいけません。」と気付いてからは出来れば2泊。
今回初めて3連泊しましたが、3日目の夜に「えー!?もう最後の夜ー?」とがっかりしたのでした。



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| 東日本大震災 | 18:47
Khadi こんなもの



やわらかな風合いと手触り、乾きやすさもあってリピーターも多いインドのKhadi cottonですが、こんなかわいいバッグもあります。(しかも892円とすごくお手頃)

畳むととってもコンパクト。スペアとしていつものバッグに忍ばせておくのもいいし、旅のときにも重宝します。着替えを入れておくとか、反対に洗濯物を入れておくとか、お風呂セットを入れておくとか。(←これ、結構必要なのですよねぇ)

あと、くたっとしているのでカゴバッグの内袋にもいいと思います。カゴの大きさや形を問わずに使えるから。


あぁー。麦藁帽をかぶって、テロンとバッグを提げて、島に行きたい。

※神楽坂店にはラインのKhadi のシーツもございます。150×225cm 4,200円 です。(ブルーのラインと赤のライン。合わせてピローケースもありますよ) 店頭に出ていない場合もお気軽にお尋ねくださいませ。

| 神楽坂店のこと | 10:53
野田村でのはなし その2



野田村は個人のボランティアも村のボランティアセンターで受け付けていて、当日9時までに行って申し込みをすればその日の仕事を割り振ってくれる。私は連日瓦礫(といっても大きなものはもう片付いていて、重機なんかでは拾えない細かなもの)除去の担当でした。

一見きれいに見えても、近寄るとまだまだ細かなゴミはたくさんあって、中でもガラス片は本当に多かった。片付けた場所はそもそも宅地だったけど、まだどうなるかは決まっていないみたい。

住んでいた人が戻れるのか、それとも公共の建物ができるのか、もしくは何も建てずに公園などを造るのか。それすらわからなくて、果たしてこの作業が意味あるものとなるのかどうかだってわからない訳だけど、正直そんなことはもうどうでもよくて、例えばここに家があった人が様子を見に来たときに、粉々になったガラスが散らばっていたり、それが上を向いて突き刺さっているというような光景でなくなるのであれば、それでいいのかな。いいんじゃないかな。と思ったりもした。


ボランティア作業は朝の9時から15時まで。結構早くに終わるので、そのあとは村の産直によく通いました。お目当てはいくつかあって、そのひとつがソフトクリーム。

野田村は古くから塩が作られていたところで、今でも昔ながらの製法にこだわった、特産ののだ塩というのがあります。(津波で工場がやられてしまったそうなので、今は品薄です)

で、これはその塩を使った『のだ塩ソフトクリーム』なのでした。
塩キャラメル的な濃厚さがあって、とっても美味しいのです。観光客、地元の人、老若男女が常に行列を作っていました。



あとは地元のおばあちゃんやお母さんが作った、このおだんご群!

きびだんごにあずきだんご、よもぎだんごなどなど。おだんごもりだくさん。ここの文化のひとつなのだと思う。しかもこの中にとっても珍しいのもあってですね、それは『しみだんご』というもので、なんと餡にどんぐりを使っているのです。

子供の頃、興味でどんぐりを少しかじったことがある人は知っていると思うけど、どんぐりってすごい渋いのですよ。アクがもうもうすごいんですけども、それを手間隙掛けて取り除き、食べられるようにしたもの。食べ物がなかった時代の知恵なわけだけど、そこまで工夫しなきゃいけなかったくらい、厳しい土地だったんじゃないかな。

この他にも、ニンニク醤油で焼いたイカ焼きやら豆腐田楽やら、あぁー。思い出してぐぅ。とにかく産直にはお世話になりました。
また行きたい。また食べたい。そして今日はこのへんで、おしまーい。



| 東日本大震災 | 19:38
野田村でのはなし その1




先月末に行って来た、岩手県沿岸北部の野田村。のだ窯の泉田之也さんを初めて訪ねたのが、この村を訪れる最初のきっかけだったのだけど、それから毎年のようにここへ泊まりで出掛けます。必ず泊まりたい宿があるのもその理由のひとつだし、海の幸、山の幸のどちらもが豊かなところも、それから、小さな村なのにどこか進んでいる感があったり、どこかオープンな空気があるところも含めて、居心地がいいのです。

まさかこんな形で訪れる日が来るなんて夢にも思わなかったけど、今回は東日本大震災による津波被害を受けた地区のボランティアを兼ねて。大したことは出来なくても、それでもこの村には外から人がやってくるよ。ここのことを忘れてはいないよ。という意思表示をしたかったし、逆に興味はあるけど「大したことができないから」とボランティアに行くことを躊躇している人には、blogに載せることで、「こんなのもありなんだ。」という具合にそのハードルを下げるひとつの要素になればいいかも。という気持ちもあったのでした。特産品と滞在をたのしむ気も満々で。


津波の被害で大変な人がいるというのにその土地で楽しんで来てもいいのか?果たして?という心の迷いはなきにしもあらず、なのですが、変わらず物を生産したり、それを売って生計を立てている人がいるのも確か。外から来てお金を落とすのも、やっぱり必要とされていることのひとつだと思う。

それから行ってみてわかったのは、直接の被害はなかったけど、直接被害を受けた人のため、地域のために何かをしたいと思っている(実際に行動に移している)地元の方々もまた、心も体も随分と疲れているのだろうということ。

直接的に出来ることは限られているかもしれないけど、サポートのサポートだってひとつのサポートになる。いろんな方法があるに違いないのだと思う。どんな小さなことや遠回りに見えることでも。そうして、やっぱり忘れないことだと思う。忘れないでいると、きっと何かは出来るから。



| 東日本大震災 | 19:06






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