... 別冊よこぐも手帖 ...

  くらしの知恵と道具 jokogumo−よこぐも− 
ささやかのちから。



今年に入って、骨董市で思っていたような念願の火鉢を見付けて買いました。たいそうな感じでない、極々シンプルな昭和風。

それまでパンをトーストにするときにはガスコンロに焼き網を乗せていたのですが、お休みの日にはこの火鉢を使って炭火トーストに。これがとっても香ばしくて美味しくて、やみつきになります。

でも実際は、そんなふうにゆっくりとうちのご飯を愉しむことはしばらく出来ないでいました。時間もそうだけど、何より心がソワソワして落ち着かなかった。

東京ではこのところ体感する地震もぐんと減ったし、不足しているものだってない。でもやっぱりこの先のもろもろへの不安感は一向に減らないわけです。もちろん、東京よりももっともっと切実なところがあることはわかっているし、そのことも決して忘れはしないし忘れてはいけないことなのだけど、普段の暮らしの中で自分の気持ちをどう持っていけばいいのかに悩んでしまうのです。

しっかり情報を集め、ちょっと過剰なくらいいろいろなことを考えた方がいいのか、ストレスが大きくならない程度に気を遣う程度が妥当なのか、それともいっそ割り切ってノンストレスを目指すのか。感じ方や考え方はそれぞれだから、これは自分自身の中で折り合いを付けなければいけないのだけど。

あぁー。なんてため息をつきながら、炭火の用意。美味しいトーストには美味しいサラダ、と葉っぱをしゃっきりさせて、レモンは皮ごと細かく刻み、少しのハーブ、あとはガーリックオイル漬けにしておいた豆と合わせる。豆を挽き、コーヒーを淹れる。すべての準備が整って、トーストにはたっぷりのいちごジャムをのせて。

「あぁー。これだー。」

悪いため息はよいため息に変わっていくのでした。
くらしの中にある「ささやか」の力は大きい。
ささやかでいい。それぞれが直面している状況や状態は様々だけど、その中でささやかな愉しみを見出すこと。つかの間でいいからそれを感じること。
仕事から帰っての「ぷはー!」はお気に入りのグラスで、だとか、育てている植物の新芽を見つけて「わぁ♪」だとか、寝る前には少しだけアロマキャンドルを、だとか。何でもいいから、自分のココロを解きほぐすような瞬間。こういうものがいつものくらしの中にあると全然違うのだと思う。

今日はそのありがたさと大切さを、炭火トーストと一緒にパリパリと噛み締めた日。



| つれづれ | 01:30
地方新聞と緩衝材。


jokogumoのウェブショップは、緩衝材に古新聞を利用しています。おしゃれ感はありませんが、石油系のものはあまり使用したくないし、モノを保護してくれるならそれでいいと思っています。

作り手から商品が届くときにもだいたいは新聞紙にくるまれてきます。地方から届くだけに地方新聞が多く、これを延ばしてたたみ直すときにその地方紙の内容を写真と共にみるのはひそかな楽しみだったりして。

地元の高校生にこんな素晴らしい子がいます。とか、どこどこにこんなお花が咲きました。とか、こんなお祭りをしました。とか。東北は特に、記事の内容もなかなかのゆるさで、この感じを誰かと分かち合いたい!なんて、余裕があるときにはお送りする商品の緩衝材として、その産地に合わせた新聞をわざと使ってみたりするわけです。自己満足ですが。(たまに「緩衝材の新聞が面白くて読んでしまいました!」なんて感想をいただくこともあって嬉しい。)

でも、あの日から。商品が包まれてやってくる地方新聞はあまりに悲しくて、あんなに楽しみにしていたのに「見なかったこと」にしてたたんでしまっていた。緩衝材として使うにも気が進まず・・・。

いろいろなことが少し落ち着いて、たたんでいた新聞を広げてみる。被害のこと。助かった人々の話。弔い、希望。外から見た被災地ではない、その土地の声。現実は現実じゃないか。何と言っていいのかよくわからないけど、これまでと同じように。同じように記事を読みながらたたみ、緩衝材にしようと思った日。

| つれづれ | 16:18
本日より



本日より神楽坂店も営業しています。平日だし、企画展の後でもあるし、のんびりとした時間ではありますが、「こないだはおつかれさまでしたー」とさっそくお立ち寄りくださった顔見知りのお客様もいらして、本当にありがたい限りです。

公園から子供や鳥の声が届くこの小さなお店はやっぱり自分の居場所だなーなんて改めて感じながら、順番に、少したまっていたメールの返信などに精を出しています。

そんな中届いたのは、高松のプシプシーナ珈琲さんの豆やショウガトウ!焙煎したての豆がとーってもいい香りで癒されます。今回はいつものブレンドトーベと、前回も人気だったガテマラビーベリー、新たな豆コロンビアハニーの3種類に加え、水出しコーヒーパックも仲間入り。パックをお水に入れておくだけで、お店のようなアイスコーヒーが出来ちゃいます。

まだまだ暑かったり、肌寒かったりと安定しませんが、西日本はひと足早い梅雨入りのようですね。どうせ梅雨は必ずあるものなので鬱陶しいと思わないで、しとしと雨をBGMに美味しい珈琲を愉しむのもいいかも。←と自分にも言い聞かせてみる。

| 神楽坂店のこと | 19:02
ウェブショップ再開しました



企画展中は完全出張だったため、お休みさせていただいておりましたjokogumo webshop。片付けやもろもろに時間を取られてしまい再開が遅くなってしまいましたが、カートオープンしています。

東北展のものは写真を新たに用意する必要があるものもいろいろなので少しずつ順番に、という具合になりますが、それとは別に再入荷しているものもございますので是非ご覧くださいませ。

1ヶ月のお取り置き(ご購入いただいたものを合わせて発送できるので、期間内のお買い物は送料が1回分で済みます)にも対応しております。どうぞご利用ください。

再入荷のもの、本日UPしたものは下記の通りです。

くるみのトレー・桜の丸膳+トレー
石川硝子工藝舎のもの
岩舘隆さん・玉山保男さん 漆の汁椀
あけびのかご(ふたえ編み・波型)
根曲がり竹の丸椀カゴ(大・中のみ)

なお、大変申し訳ございませんが、UP予定の商品やUP日時に関する個別のお問い合わせには対応しきれない場合がございます。UPのお知らせをもってのご案内となりますことを何卒ご了承いただけますと幸いです。

| 商品の入荷やUPのお知らせ | 16:50
行ってみたいトコロ盛岡


行ってみたいトコロ東北展の開催に間に合うように、と作った盛岡案内小冊子「行ってみたいトコロ盛岡」。会期中にお買い求めくださったお客様、ありがとうございました。

前々から自分も大好きな盛岡の街についての冊子を作りたいなぁと思っていて、写真を撮りため、いろいろなお店や場所を回ってはいたのですが、なかなか実現できなかったもの。(このときに書いた「でもちょっと考えていることがありまして、街歩きに時間をかけたのであります。」というのは、実はこの冊子のことだった!)この機会にちゃんと形にすることが出来、感謝しています。

盛岡の街には行ってみたいトコロがたくさん。本当はもっともっと他にも紹介したいトコロはあるのですが通常1泊とか2泊くらいで旅に出る方が多いことも踏まえ、そのくらいの日程で是非ここは!という場所をメインに(かつ自分の思い入れも強い)考えました。最後には地図も載せているので、いつか盛岡を訪ねるときのお供にしていただけるとうれしいです。載せきれなかったところはこのblogの「行ってみたいトコロ−盛岡−」カテゴリーで追加していけるといいなと思っています。

さてさて、ご遠方の方などからはウェブショップでの販売は?というお問い合わせもいただき、ありがたい限りです。メール便などでお安くお送りできるようにして、ウェブ販売も予定しています。どうぞどうぞ、よろしくお願いいたします!

ちなみに表紙と裏は、東北展のDMとの共通性を持たせつつ、盛岡で手に入るものを集めたデザインとなっております。

| 行ってみたいトコロ東北展 | 15:06
東北展 終了


5月13日〜18日の6日間、神楽坂のご近所ギャラリーフラスコにて開催いたしました「行ってみたいトコロ東北展」無事に終了いたしました。

いつもの小さなお店を飛び出して初めての企画が東北をテーマにしたものであり、またそれがこのようなタイミングであったこと。3月11日以来、今の自分の役割のようなものを感じながら準備を進めてまいりました。

あまりに張り切っていろいろなものをいろいろなところから集めたので、搬入や値札付けなどの作業になって愕然としたり、ギリギリになってからのもろもろに焦りながらも何とか当日を迎えてみると、オープン前にはたくさんのお客様がお待ちくださっていました。

神楽坂店ではお馴染みのお客様、お久しぶりのお客様、ウェブショップをご利用くださっているお客様、DMを置いてくださったほかのお店のご協力でお越しくださったお客様、6日間の間に本当に多くの方がお越しくださいました。毎日毎日、それはもう感謝の気持ちでいっぱいでした。

時間帯によってはきちんとお話をすることも出来ず、ろくにお礼も言えないままになってしまったこともあって、これにはやっぱり悔いが残ります。あぁーあのお客様とこういうお話をしたかったのに、というのがいくつも思い浮かんでいます。

たくさんの東北の手仕事や食べ物、お楽しみいただけたでしょうか。あれもこれもと魅力あるものを集めたつもりですが、これでもまだまだ一部なのですよね。私自身も改めて、東北の手仕事・食文化の厚みに驚き、感心するばかりです。

企画展のタイトル通り、ひとりでも多くの方が「東北に行ってみたい!」と思い、実際に訪れてみるきっかけになったなら、こんなに嬉しいことはありません。なかなか足を伸ばせない方にも、東北のいろいろなことを伝えることが出来たなら嬉しく思います。

たくさんの想いがありますが、まずはお越しくださったお客様、品物を納めてくださった方々、それから開催にあたり、サポート、ご協力くださった皆様には心よりお礼申し上げます。それから、予定が合わなかったり、ご遠方でお越しいただくことは出来なくとも、応援や励ましのお言葉をお寄せくださった皆様、blogやTwitterなどでイベント告知をしてくださった皆様も、本当にありがとうございました。

感謝の気持ちと共に、周りで実務を助けてくれていたみんなのことを自分以上に疲れさせてしまったことは申し訳ない限り。自分自身がもっと力を付けなくてはいけません。いろいろなことを学んだ展示でもありました。

いつもは小さなjokogumoですが、今後もまた何か出来るのかもしれないな。そんな希望も抱きつつ。皆様、本当にありがとうございました。そして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




| 行ってみたいトコロ東北展 | 00:53
半分終了




「行ってみたいトコロ東北展」 会期の半分が終了いたしました。初日より本当に多くのお客様がお越しくださり、本当にうれしく、ありがたい毎日です。どんどん写真を撮って、UPしようと思っていたのに、ようやく今日になってやっとカメラを構えることが出来た、という感じ。

会場ではいつも神楽坂店にお越しくださるお客様、それからまだお会いしたことのなかったウェブショップのお客様、取材で過去お世話になった方々にほかのお店の方々などなど、ご遠方からご近所まで。ちゃんとご挨拶をして、いろいろなお話もしたかったのですが、ひと言ふたことお話をして、気付けは「あ!もう帰られてしまった!」ということが多くて申し訳ない限り。この場をお借りしてお詫び申し上げます。

平日かつ後半となる明日からはもう少しのんびりとした感じになると思います。まだまだ商品はございますので是非まだまだひとりでも多くの方にお越しいただけますように。あけびのバッグや篠竹のもの、マタタビのものもまだありますよー(米とぎざるは大きなサイズのみとなりました)。それからくるみクッキーにロシアビスケット、黄精飴などのお菓子もまだありますし、火曜日には弘前から新たなお菓子も届きます。

さらには、金曜と土曜のみの予定だったomotoの包丁研ぎも会期中は毎日継続していただけることに。丁寧に布で包んだ包丁が次々と持ち込まれる様子は、道具とそれを使う人、面倒を見てくれる技術を持った人の関係の大切さとあるべき形を感じさせてくれます。「あの包丁がこんなにピカピカになるなんて!」「切れ味が素晴らしく、お料理の腕が上達したみたい!」と感激の声も届いています。

状態や刃物の種類にもよるのですが、仕上がるまでにだいたい30分〜1時間くらいです。その間に店内をゆっくりご覧いただいたり、それから研ぎの技を見学しつつビールやお酒でひといき、という方もいらっしゃいます。

1日にこんなにたくさんの包丁を研ぐことはないですよ!と毎日クタクタのomotoの康人さんですが、それでも延長のお申し出をいただけたことには本当に感謝、です。研ぎをお願いするのは初めて、という方も多いので、これはひとつのよい経験にもなるし、勉強にもなります。いろいろなことが伝わっているのではないかなぁと、真剣に様子を眺めるお客様の後姿を日々うれしく眺めています。



omotoの布と鉄、ご夫婦揃ってお話を伺えるのもよい機会。東北はまだまだ皆様をお待ちしておりますよー。あとはお仕事帰りにビールとお酒を、というパターンも期待しております。←ビールもお酒も「おいしい!」と好評でございます。ちなみに明日は岩手より、漆の玉山さんもご来店の予定です。
ついでに言うと、いつもの猫さんもこのところ閉店間際に訪れています。

※細かな情報はTwitterでもつぶやいています。blogと合わせてご覧くださいませ。

| 行ってみたいトコロ東北展 | 03:42
いよいよ。



行ってみたいトコロ東北展、いよいよ明日からです。
というか日付はもう今日ですね。

5月13日〜18日となります。
搬入は実はおとといからやらせてもらえているのですが、それでも全然時間が足りなかった!自分の段取りが悪いのももちろんだけど、やっぱり普通にアイテム数と商品数が多すぎたような気がします。張り切りすぎてしまった〜。

でももうなるようにしかならない。どっしりと構える東北の人々を見習うことにいたします(笑)。

みなさまお待ちしております。

| 行ってみたいトコロ東北展 | 02:45
omotonomoto

先日もご紹介したomotoのもの。
この間UPされていた、鍋つかみに関するお話がとってもよかったのでリンクを貼っておきます。是非呼んでみてください。

うんうん。omotoのこういう真っ直ぐな気持ちが好きなんだよ。そんなふうに改めて思ったのでした。

ご主人が作る包丁が出来るまでのお話も新たに掲載されていましたよ。(最後の写真の『日光浴』がいい!)

東北展での包丁研ぎは13日(金)と14日(土)の予定です。刃物についてのいろいろなお話も聞けるよい機会。

こんな呼びかけは変ですが、 みなさま、東北店にはご自宅の切れない包丁を持ってどうぞお越しくださいませ。omotoもjokogumoもお待ちしております。(包丁研ぎの料金は刃の状態によります。お気軽にご相談ください)

生活の中の布と鉄 omotonomoto
| 行ってみたいトコロ東北展 | 00:44
国産の天然炭酸水


すいません。商品は明日届くので写真がないのですが、奥会津の金山町というところで採れる天然の炭酸水も「行ってみたい東北展」には並びます。

初めて奥会津を訪ねたとき、鉄道マニアからも絶大な支持を得る只見線というのに乗りました。しかも偶然SLが走っている時間に当たり、それに乗って。景色はきれいだし「フォーッ」と汽笛を鳴らしながら進むSLの旅はとてもよいものでした。

しかも、途中の駅では地元の方がホームで踊りを披露してくれたり、特産物の試食販売があったり、かなりの歓迎モード。いいトコロに来たもんだ〜と大満足したものです。

そのときに頂いたのが奥会津の天然炭酸水でした。国産だけに水も炭酸もやわらかで、すごく美味しかった。東京に帰ってからも忘れられなかったのですが何せ1本200何十円かで、普段に飲むには贅沢だなぁとお取り寄せも出来ないでいました。

が、なんといつの間にか価格が抑えられ、1本が150円ほどに!これは是非紹介したい!ということで、この度の東北展にもお願いしたのであります。

実は岩手からは野生の木いちごを絞った100%原液も届きます。これをこの炭酸水で割って飲むなんて素敵じゃないか。と思っているわけです。野生の木いちごの甘酸っぱさとやわらかな炭酸。出来ればその場でも飲めるように、と思っていますがその(お出しできる)余裕があるかで若干躊躇しています。(コップとか冷やすスペースとかの問題がありまして・・・)

可能であれば是非会場で東北の木いちごソーダを!不可能なときは原料はありますので(笑)お買い求めいただき、ご自宅で是非!

豆知識:金山町には炭酸の(?)温泉もあるのですよ。しゅわしゅわー。

| 行ってみたいトコロ東北展 | 00:14






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