... 別冊よこぐも手帖 ...

  くらしの知恵と道具 jokogumo−よこぐも− 
静岡 駿河漆器を訪ねて その3
静岡 駿河漆器を訪ねて その1
静岡 駿河漆器を訪ねて その2

駿河漆器 作業場1
細田さんは塗師で木地師。曲げ物から塗りまでのすべてをひとりでこなす。見学させてもらった作業場にはたくさんの素材が山のように積まれていて、それはまだ木の板の状態だったり、何かの形にカットした切れ端だったり、すでに曲げられているものだったり。
たくさんのことを同時進行でやっているのだと思うけど、その様子は、洗濯をしている間にお掃除を始めたのだけどその途中で庭のことが気になって、外に出て作業を始めてしまったもののピーッと洗濯が終わった合図を聞き、急いで洗濯ものを干していたらまた別の用事を思い出して、干し終わったあとに全く別のことを始めてしまった、というのと似てるのかな、もしかして。なんて。ちなみにこれは私のこと(笑)。

ではせっかくなので、お弁当箱が出来るまでの工程を簡単にご紹介します。

1


素材はひのき。水に強く粘りがあるので曲げもの向きなのだそうです。これを2.3〜2.4mmに挽いたものを熱湯につけてやわらかくし、あらかじめ作っておいた型に沿わせます。

2

ひとつひとつこうやって、型に固定。型も自分で作ります。
しっかりと乾く頃には型からはずしても、もうこの形。
これにぴったりの形とサイズの底板を調整しながら入れ、漆と米のりを使ったもので接着。


出来上がったわっぱに漆を塗り重ねていきます。
塗ったものは「風呂」と呼ばれる棚に入れて乾かすのだけど、乾燥させるのではなくて「固める」のが正しい表現。漆は空気中の水分を取り込みどんどんと固まります。「風呂」はそのための湿度を一定に保ったり、調節したりする場所のことなのでした。こうして塗って、乾かす、研ぐ、を6〜7回。また、この過程でどういう塗りをしてどういう意匠をほどこすか、によって漆器には無限の可能性があるんです。産地によっても様々。




磨きます。昔は角粉という鹿の角から出来た粉と油をつけていたそうですが、今は専用の粉を使って。こうやって黙々と磨き続けます。
ぴかぴかとつやのあるものは、人が磨いているのですよ。なかなかリアルに想像することはないと思うのだけど。


駿河漆器
かわいいね。



簡単に、と思ってかなり大雑把な説明になってしまいましたが(しかも最後はやっつけた観アリ)、ひとつのものが出来上がるには本当にたくさんの過程があります。やり方や使うものもいろいろだし、出来上がるものも本当に様々。漆のものは見れば見るほど不思議でおもしろい。
へぇー、と思ってまたいつか、どこかで漆のものを手にとって見るきっかけになればうれしいです。長らくお付き合いいただきましてありがとうございました(笑)。

おしまい。


| 手仕事を訪ねる旅のはなし | 15:11






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