... 別冊よこぐも手帖 ...

  くらしの知恵と道具 jokogumo−よこぐも− 
やちむんの里 横田屋窯
横田屋窯沖縄、読谷村にあるやちむんの里。自然豊かなこの地にはたくさんの窯元が点在し、日々やちむんを作り続けています。
横田屋窯さんは道の脇に出ているささやかな看板を見落としてしまえばおしまい、な感じの少し奥まった場所にあります。木々が覆い茂る道を、山鳩が落ち葉の山で餌を探しガサガサと忙しく動き回る様子を横目に進む。空気もいい。こんな道は、と手前のほうで車を止めて歩いてやってきた選択は大正解。

いちばん手前にあるご自宅、テントを張っただけの簡単な販売所、作業場、登り窯。こつこつと自分たちの手でこの場所を作り上げてきたのだそうです。後で「自分のうちだから、丁寧には出来ていませんよ。」というのを聞いたけれど、私にしてみると丁寧だとかそうじゃないとか以前の問題で、いったいどうすれば自分たちで作れるというんだろう?と信じられないような気持ち。
作業場では、横田屋窯の知花さんがもくもくと土を踏んでいるところでした。

こうやって土を踏み、空気を抜いて土に粘りを出していきます。「専用の機械で混ぜるところが多いけど、うちにはそれがないからこうして踏んでいるんですよ。大変です。」そういって知花さんは笑う。30cmに満たない足の裏を使って、端から端から少しずつ踏み練っていく作業は本当に重労働だと思う。

「薪も自分たちで割ります。大きいまま入れることもある。割ってある薪を仕入れると楽なんだけどそれだと高いんです。だから自分で何でもやりますよ。沖縄の人に普通に使ってもらえるように、買いやすい値段のものを作りたいと思っているからね。」


横田屋窯さんの器はとにかく素朴で、何を狙うわけでもない(ように感じた)。たくさんの人に使ってもらいたい、という思いの元、ただただ器として正直に作られたもののおおらかさ、やさしさ、それから...何だろう。...何だろう。どうにか上手く言葉にしてみようと思ったけど、やっぱり無理。とにかくその器を見たときに、「これを作る人を訪ねてみたい」と感じたのだから。


うまく言葉にはできない何か。そういうものはすべて出来上がったものの中に含まれているのだと思う。知花さんのやちむんで言うなら、土を踏み、ろくろを回し、絵付けをし、火を入れる。それぞれの工程で少しずつ、そしてぎゅっと。自分が今手にしている器、それを作り出す人、その原料を生み出す沖縄の自然。そうしようと思うわけではなく、またそうしろと言われるわけでもないけれど、いろいろなことに思いを馳せ、さかのぼって考えてみる。丁寧に、そして正直に作られたものには必ず心に響く背景がある。手仕事を訪ねる旅を重ねるごとに実感しています。


翌日、またもや訪ねてみると・・・。まだまだ土を踏んでいるところでした(今度は違う踏み方になっていた)。私の姿に気付くや笑顔で「ピースV!」知花さん、大好きだ!
| 手仕事を訪ねる旅のはなし | 13:42






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