先週は神楽坂のお店はお休みさせてもらい、福島県三島町の「ふるさと会津工人まつり」に行ってきました。これはクラフトフェアのようなものなのですが、出店者の多くが編み組み品(かごやザルなど)の作り手で、おじいちゃんおばあちゃんが地元で採れる山菜などと共に商品を並べていたりするちょっと面白いお祭り。もちろん、編み組みのほかにも焼き物や木工、織物や染物などもいろいろあります。
今年はあいにくの雨模様でしたが、それでもたくさんのお客さんが来場しにぎわっていました。
写真のマタタビ細工の山は、いつもお世話になっているつくり手さんたちのテント。米とぎやそばザルなどは2月に行ったときにたくさん仕入れていたので今回は遠慮して、これまで扱いがなかったような少し珍しいものを多く選ばせてもらいました。
それから他には、バッグなど。
このところ山葡萄やくるみのバッグへのお問い合わせを様々いただいているのですが、今シーズンはなかなかよい出会いがなく仕入れられないでいたのです。
高くてよいものはもちろんあるのだけど、まぁそういうものはデパートでも買えるわけなので、もっとお値打ちだったり、味わいがあるものというのをjokogumoは探していたのであります。今回はそういった意味でのよい出会いあり。
仕入れた商品は帰りに送ってきたので、届いたら写真に撮ってご紹介いたしますね。どうぞお楽しみに!
会場ではこんなふうに実演も見られます。
こちらはツリーイング体験。木に引っ掛けたロープを使って登っていきます。子供はもちろん、大人だって体験できるみたい。【1回30分くらい】と書いてあったのがちょっと笑えました。時間はちゃんと融通してくれるから安心!
奥会津の金山町に行ってきます。といってから、気付けば更新しないうちに1週間が経ってしまいました。いや、実は一度気合を入れてblogに取り掛かっていたこともあったのだけど、途中で内容が消えてしまい力尽きていたのでした。
只見川は見慣れた姿から一変。想像を超える被害状況でした。あの美しい河がこんなふうになるんだ...と息を呑むほど。橋が流され、集落にも土砂は流れ込み、浸水したまま水が引くまで12時間ほどもかかったのだそうです。
私はその、土砂が流れ込み浸水していたというお宅の片づけをお手伝い。このあたりは昔ながらの日本家屋が多いのですが、作りのシンプルさと合理性には本当に感心しました。畳を上げ、床板をはぎ、建具を外すともうそこは柱を残したひとつのだだっ広い空間。日本の家ってこんなふうに、柱と柱の間に何を当てがうかで出来上がっているんだよなぁ。
竹を組んで、土を塗れば壁に。それ以外は建具。障子で光を取り込んで、襖を間仕切りにする。畳の下には板。何かがあったときにはそれぞれのパーツを外したり、取り替えたり。柱さえしっかりしていれば、ちゃんと手入れをしながら長く住めるようになっている。こんなに大変な災害に見舞われてもどっしりと建っている会津の家屋を見て、これがずっと大切にされて、残ってきたことに納得したのでした。
お付き合いのある作り手さんのお宅はみなさん被害もなく大丈夫ですが、川や沢の脇に生える胡桃の木が相当数流されてしまったらしく、胡桃細工はしばらくできねぇかもな。とのこと。
同じ場所を前に撮った写真はつづきに。
奥会津に行っていたときのこと。
今回いつもは通り過ぎてしまうような小道にもどんどん入ったので、地元の人とお話をしたり、生活が垣間見れたりすることがいろいろあった。そのたびに、「あ〜。こういうのが好きなんだ私は〜。」なんて。
旅は昔から好きでした。結局それは、その土地の人と触れ合うことが好きで、楽しかったから。その土地の人に会いたくて、旅をするのかもしれないなぁ。
写真のいちご。
畑仕事をしているおばあちゃんに、「すいませーん!この道ずっと通れますかー?(途中で道がなくなることがあるので)」と尋ねたら、「なにー?」と言いながら近づいて、そのまま「これ、あげる。」って。ちょうどいちごの収穫をしていたみたいで、そのまま。
「えっ、えっ!」とびっくりする私に「いいの。いいの。」と言ってどんどんいちごを抱えた両手を近づけてくれるおばあちゃん。かわいらしくて、とってもやさしい顔だったー。ここの集落では草刈に出かけるおじいさんともながーい立ち話をした。次に訪れるときにも、またここの集落に来てみたいな、と思っています。
奥会津には日本の原風景ともいえる景色がたくさん残っている。集落ごと丸々全部が昔ながらの曲がり屋なのも珍しくなくて、こんなふうに条例で規制をかけているわけでもないのに普通に?残っている場所なんて、日本でも貴重なんじゃないかと思う。
好きな風景はいろいろあるけど、その中のひとつが実はお墓だったりします。お墓のある風景が好きって何か変な感じですけども、ここはお墓がかしこまった墓地としてではなく、暮らしの中の一部のような形で存在しているのです。
家々が軒を連ねる集落があって、田んぼや畑があって、お墓がある。生きている人も、死んでしまった人も、みんな同じようにここにいる、ここにある、という感じ。雪で閉ざされる季節にはお墓も同じように雪の中に、緑が多い茂る季節にはお墓も緑と共に。
お墓参りにいこう、っていう特別な感じじゃない。どっちがどう(生きている人と死んでしまった人)とかそんなことはどっちでもよくて、お互いが寄り添い、見守りあっているような。
これもまた、私の好きな奥会津のひとつ。
自然の中の人間って、こういうことなんじゃないかって。
決してたいそうなコトでもモノでもないんだよね。
今年で24回目となる「ふるさと会津工人まつり」。奥会津、三島町で毎年6月に開催されます。
会津はもとより、全国から編み組み、陶芸、染色、木工など、いろいろなものづくりをされる工人さんが集まるイベントです。参加人数も増えているようで、今回は150テントくらい。
全国にはいろいろなクラフトフェアがありますが、編み組み品に関しては他にない数だと思います。出展者の平均年齢もダントツで高いのでは?(笑)
腰をかけたおじいちゃん工人さん、お菓子を広げて勧めてくれるおばあちゃん工人さん。手仕事とともに並ぶ山菜。規模は大きくなっても、こういったほのぼのした風景はやっぱり何よりの魅力です。
渋滞対策として、今年から会場へは車で行けないことになりました。町の小学校や中学校など、広い場所数箇所に駐車場を作り、車で来た人は全てそのどこかへ誘導されます。そしてそこからシャトルバスで会場へ。1日中このバスは駐車場と会場を往復していて、5分か10分ほど待てばすぐに乗れるという便利さです。
こんな小さな町で、これほどの人と車をスムーズに誘導するのだから本当にすごいことだと思います。きっと話し合いに話し合いを重ね、当日を迎えているに違いない。町の中の要所要所に何人ものスタッフがいて、「こっちです」「あっちです」と誘導してくれるのですが、当日は30度を超える真夏日。警備会社からと思われる方々に加え、町の職員らしき人もたくさん。炎天下で使命感を持って一生懸命やってくれている人々の姿には本当に頭が下がりました。
しかも芝生広場には日よけのテントが張られ、自由に使えるゴザまで用意されていた。なんと細やかな心遣い!(涙)
ちなみに飲食テントは山菜の天ぷらに山菜おこわ、会津地鶏の焼き鳥に川魚の炭火焼など・・・どこまでも会津を楽しめますぜ。
カウンターには保存食や旬のお料理がいろいろと並んでいて、あれもこれも食べてみたいのもあるし、もっともっと食べたいというのもあって、ご飯をおかわりし、普段自分が食べる2倍くらいの量は食べてしまう。
かあちゃんたちはいつも「たくさんあがらんしょ〜!」(という感じだったと思う−いっぱい食べなさいよ!−という意味の会津弁)とおかわりを勧めてくれ、「美味しい!」というとカウンターの向こうから「んめぇが?」の声と笑顔。