... 別冊よこぐも手帖 ...

  くらしの知恵と道具 jokogumo−よこぐも− 
漆塗りのブローチ

先日開催した「使ってみたい、漆展」で、自分へのご褒美というか記念のような気持ちで買った、漆塗りのブローチ。

漆塗りには本当に様々な技法ややり方があって、知れば知るほど作り手に無限の可能性を与えるものだなぁと感心すると同時にいろいろなことが出来るからこその制約というか、不自由さというか、何だろう、精神的にストイックな世界なんだろうなぁと感じます。その分そこから発せられる魅力も深いのだけど。

このブローチは卵殻という技法を使ったもので、その名の通り卵の殻を貼り付け模様が作られています。よくもまぁそんな細かなことを・・・とため息が出るのですが、貝殻を使った螺鈿(らでん)しかり、身近にあるものを使い少しでも美しいものを作ろうと工夫してきた先人の知恵というのは本当に素晴らしいものです。そしてそれが今にもちゃんと受け継がれていて、こうして現在の暮らしにあったものが制作され、暮らしに取り入れることが出来るなんて。いい国ですよ、日本。

私はストールなどの布ものを巻いていることが多いので、それを留めるのに。ボタン柄がぴったりで、とっても気に入っています。しかもこういうのはおばあちゃんになっても付けていると可愛らしいこと請け合いです。何なら孫にあげても喜ばれそうです。

ってまぁ何十年後の話をしても仕方ありませんが、こういうアクセサリーもいいもの。


| すきなモノ | 17:15
うさぎの土人形


去年最後ののblogに載せていた、ちょっとヘンテコなうさぎ。
着物を着て扇子をもって、かしこまって座って、落語家のようでもあります。

これは、鳩笛で有名な下川原土人形。jokogumoでも鳩笛を扱っているので(今の在庫がなくなり次第終了)、その作り手の高谷晴治さんを訪ねるたびに少しずついろいろなのを買い足してきた中のひとつ。

年賀状もこのうさぎにしました。晴治さんへの追悼の意を込めて。昨年2月、高谷さんは86歳で亡くなられたのでした。


最後に会ったのは亡くなる半年前。
「私、いつか女の子が生まれたら、晴治さんの土人形のお雛様が欲しいんです。だからまだまだ元気でがんばってくださいね。」
そう伝えて帰ったけど、それは結局叶わなかった。

そのときの晴治さんは、正直もう随分とお身体も大変そうだった。それでも、「これから猫の人形を100個作るんだ。」と言っていたから、本当にずっとずっと、まさに『死ぬまで現役』で土人形作りをされていたのだと思う。あの人形も欲しかったのに、この人形も欲しかったのに。いろいろな人形に未練が残ります。

これからはもう買い足すことは出来ないけれど、これまでいただいたものには生前の晴治さんとの思い出が詰まっている。これからも変わらず、このヘンテコさんたちを「ふふふ」と笑いながら、大切にしていきますよ。

高谷晴治さんを訪ねたときのお話はこちら

| すきなモノ | 18:03
洋服ブラシ



今年新しく買った洋服ブラシ。
気に入っている洋服やマフラーのお手入れをちゃんとしてやりたくて、欲しいなぁ、買わなきゃなぁと思いつつ、ずっと後回しにしてしまっていたもの。

選んでいるときに居合わせた別のお客さんが「昔はどこのうちにもあったのにねぇ。」と言っていた。確かに、うちの実家の洋服ダンスの扉を開くと紐で吊るされた洋服ブラシ、あったなぁ。
私たちの親の世代は、まだ今みたいにどんどんとモノを買い換えるような時代ではなかったし、洋服もちゃんと手入れをして大切にするものだったのだと思う。


親の世代までは、と言ったけど、私も子供の頃は新しい服を買ってもらった記憶はほどんどない。いとこのおさがりが届いて、それを姉が着て、ようやく私。

小学校のときの制服も、いつも姉のおさがりでした。新しい制服、いいなぁと憧れていたけれど、学校でも上に兄や姉がいる子はだいたいおさがりを着ているのが当たり前で、上着とスカートやズボンの色や質が違っている(おさがり具合で変色があったり、メーカーが違ったりしていた)のを着ている子も珍しくはなかった。おさがりとはそういうものだと子供たちも理解していたから、「かわいそう」とかいう感覚もなかったように思う。

でも、妹だから仕方がないとわかっていたけど、新しい制服はとっても羨ましかったなぁ。

初めて新品の制服を買ってもらったのは中学入学のとき。嬉しくて嬉しくて、入学式前に何度も家で着てみたり、その姿を写真に撮ってもらったりした。母親の、「こんなに喜んでもらえるとお母さんも嬉しいわ。」と言っていた、嬉しさとこれまで新品を買ってやらなかった申し訳なさみたいなものが入り混じった表情も、よく覚えている。

これは大切にしよう。洋服ダンスの中のブラシを出してきては小まめにブラッシングしたものです。言われてやっていたわけではないので、今思えば、出張帰りの父親の特別な(?)スーツやコートだったり、余所行き用の服にブラシをかける母の様子を子供の頃から何となく見ていたからじゃないかと思います。

大切な服にはブラッシング。制服のことを思い出しつつ、これで気掛かりだったことがひとつ解消できました。
やわらかな馬毛を使ったこのブラシ。まだ使い方がぎこちないのだけど、「使っていくうちにどの生地にはどのくらいの感じで当てるのがいいかわかってきますから。」と作り手さんもおっしゃっていたし、少しずつ自分のものにしていく過程も楽しみたいと思います。

| すきなモノ | 15:03
古いものとか商店とか。

使われなくなったものだけど、なーんか別の用途で使えそうなものをついつい手に入れてしまいます。
ずっと使われていた、働いていた、というところに惹かれるのか、自分ならどう使おうか、という好奇心みたいなものなのか。何だろう?

なーんか使えそうだった古いケーキの型と、使えるかわからないけど気になって拾っておいた風鈴の上の部分と思われる家型の鋳物。蚊取り線香を置くのに使っています。


そういえば今日、「いい匂いがする。夏の匂いだ。」と言いながらふらりと立ち寄ってくれた若い男の子たちが、「入ると急に東京じゃねぇ感じ。」「海の近くにありそうな感じ。」「いや、逆に東京っぽい。」などとお店の印象を思い思いに口にして、「また来ようぜ」と言って帰っていったのは、何か楽しかった。本当にまた来て欲しいなぁ。

赤い自転車の郵便配達のおじさんも、お店の前でスピードを落とし、ゆらゆらとしながら「懐かしいものが置いてあるねぇ」と笑顔で通り過ぎていったっけ。

今日の東京は幾分過ごしやすくて、お店の窓もドアも開け放していたのでした。真夏とか真冬にはこういうことは出来ないけれど、商店ぽくて自分ではこういうスタイルは好きだなぁと思います。


| すきなモノ | 18:21
傍にあるもの。

出西窯の工房を見学させていただいたときの写真。

それぞれの作り手さんにご自分の居場所があって、その正面の小さなスペースに置いてあるものもいろいろだった。

土まみれのラジカセ。
電波にはのってこない、ここだけのラジオの声が聞こえてくるようでした。


 
| すきなモノ | 11:55
福獅子

大分の郷土玩具、福獅子。土人形です。
このやる気があるのかないのか分からない顔、かわいすぎます。

獅子らしく、一応「阿・吽」になっているのですが、 それさえもゆるゆる。
「あー...」
「うーん...」

えぇー!いいんですかそんなので!そんな問いにも「まぁねー。」なんてゆるく流してしまいそうなこの姿。へんてこ好きとしては、もうひと目で目がハートです。

はちみつに続き、こちらも好きすぎてお店に仲間入り。実は先週から神楽坂店には並んでいます。
ちょこんと佇む福獅子を見ては「ふふふ」とにんまりな私をよそに、その間これに反応してくれたお客様はたったおひとりでした。(このblogを下書きしているうちに+もうおひとり)
かわいすぎてもう奪い合いかもしれない!くらいに私は思っているのに、それなのに反応薄ですよ。そこがまたたまりません。

えぇ、えぇ。こけし栓抜きのときもそうでした。途中からはもうわざと目立たないところに並べてみたりして。これを見付けたときの感激はすごいだろう!とか思うわけですが、だいたいはスルーです。でもそうでない人は大感激です。そっち系の(笑?)お客様、お待ちしております。
髪の毛掴み合い、取っ組み合いの奪い合いにならなければいいのですけども。 
・・・ 。  
・・・ 笑。

※次回入荷分よりウェブでもご紹介いたします
| すきなモノ | 17:28
はちみつ好き

はちみつ、大好き。

大人になってからですが、はちみつが大好きで大好きで、地方をまわっているときなんか、その土地の養蜂場のものを見つけてはどんどんと買ってしまいます。


トーストに塗ったり、紅茶や牛乳に混ぜたり、はちみつと食材の両方の味が楽しめるようなシンプルな料理に使ったり。

実はというと、はちみつの味に魅せられたのではなく(今は味も大好きです)、ミツバチが集めてくれたお花の蜜だということを実感したのがはちみつ好きの始まりでした。当たり前の事実ですが、実感すると全然違いました。

ずっと前に満開の菜の花畑に行ったときのこと。一面に広がるお花畑にははちみつの香りが漂っていました。
「わぁ〜はちみつの匂いだ〜♪」
・・・ん?
違う、ちがうちがう!これはここに広がるお花ひとつひとつが少しずつ持っている蜜の香り→それをせっせとミツバチが集めてくれたのがはちみつ→お花畑にはちみつの匂いがしているのではなくて、はちみつがお花畑の香り。

あー!と漫画でいうと目が電球になった感じです。瓶詰めされたはちみつと、ミツバチと、その向こうのお花畑がこれまでとは逆方向のベクトルでリアルにつながった瞬間でした。

お花畑をブンブンと飛び回り、蜜を集める健気なミツバチの姿。これを横からいただくなんて、なんとありがたいこと。

ちなみに、1匹のミツバチが一生の間で集めることができるのはたったのティースプーン1杯ほど。しかも集めるだけではなくて、はちの巣に集められた蜜は、貯蔵係の蜂の羽ばたきによって水分が適度に飛ばされているのでした。それをいただくのですよ。すごすぎます。

お花の種類によって香りや味も様々。鼻に香りが抜ける瞬間にそのお花だったり、果実を連想させたり。逆に意外性もあったりして、はちみつはとっても奥が深い。

いつか自分も養蜂に挑戦したい!とたくらんでいます。たくさんある、夢のひとつ。

| すきなモノ | 12:20
会津のおばあちゃんの味

マタタビのザルをお願いしているおじいちゃんのお宅にて。「まぁまぁ」とこたつに一緒に入ってお話をしていると、「コーヒー飲むか?」とおばあちゃん。そのうちに煮物やお漬物、梅漬けにいちぢくを甘く煮たの、おかき。「コーヒーじゃねぇな、お茶だな(笑)」とコーヒーを半分も飲まないうちにお茶までも!こたつの上はあたたかなおもてなしでいっぱいになりました。

「大根はうちの畑で採れんだー。椎茸もじんちゃ(じいちゃん)がつぐったの。」「きゅうりは夏に採れだのを塩漬げにして保存すんの」

「おかきはうちでつぐったお米でお餅にしてそれを薄ぐ切って干すんだ。うまぐ干せる時期があって、それを過ぎるとヒビが入ってダメなんだー。」

雪国のくらしの知恵が詰まった食べ物は、どれも本当に美味しくて、じわじわと体に染み渡るようでした。
「美味しい!」「わぁ!これも美味しい!」「えぇ!これも自家製!?」と驚き感激を繰り返す私に、「なーんだ東京の人っていうから気取った人なのかと思ってたらそーんなことねぇな(笑)」だって(笑)。

もともと気取れない人間ですけども、奥会津のあたたかな人々の前では本当に心からリラックスしてしまいますよ。おばあちゃんの味を習いに、合宿に来たいくらいです。 

| すきなモノ | 23:47
こけし機関車


今日は穏やかな秋晴れ。気持ちよすぎます。そんな日は、あまりネタが増えていなかった「すきなモノ」カテゴリーに追加だ、えぃ。ってよくわかりませんけども。

「こけし機関車」
何がこけしなのかというと、技がこけし。パーツも絵付けもぜーんぶこけし作りの応用で出来ています。レトロなんだかモダンなんだか、日本っぽい気もするけどヨーロッパの市で見つけてもおかしくないような。こけしの聖地、鳴子温泉に行ったときに訪ねたこけし工人さんが見せてくださったものにズキュンとやられてしまい、その場で注文。しばらくして出来上がったものを送っていただいたのです。

車(タイヤ)の中心はわざとずらしてあって、本体が上下しながらキィキィと動きます。「子供は単調なものよりも変則的な動きをするほうが好きでしょう。そのほうが面白い。」から。

うちに子供はいませんが、いたらこんなおもちゃで遊んで欲しい!何十年もの技を持ったこけし工人さんの、面白い木のおもちゃ。これは贅沢です。

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| すきなモノ | 15:25
かご好きなもので。
かごが好きだ。

初めて買った一眼レフカメラのカタログの表紙には「カメラが好きだ」と大きく書かれてあった。シンプルでまっすぐなこのコピーにぐっと心をつかまれたことを思い出しつつ、言い切ってみる。 

神楽坂店にはかご好きの方が多く訪れてくださる。お話を伺うとみなさまそれぞれにいろいろなかごを既にお持ちなのだけれど、「こんな形のが!」「この素材は!」と中に入れるものや使い道をじっくりと想像しながら手に取り・・・「あぁー」とうなだれたり、「よし!」と決意したり。まるで自分を見ているようで少しおかしくもあります。

私がかごの魅力に気付いたのは、日本の手仕事のものに触れるようになってからでした。その土地の自然や歴史や生活の知恵が詰まっていることを知り、どんどんと引き込まれてきました。おかげでうちはいろいろなかご盛りだくさん。でも不思議と買って後悔したものはひとつもなく、またそれぞれがそれぞれにうちのどこかで活躍している。「うんうん。」と頷いているかご好きさん、他にもたくさんいるんだろうなぁ(笑)。

| すきなモノ | 01:41






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